719.ナウヤカサイト Naujakasite (グリーンランド産)

 

 

ナウヤカサイト 中央のベージュ色菱形の結晶(へき開面)など
-グリーンランド、イリマウサアク、クヴァネ・フィヨルド産

 

組成 Na6(Fe2+,Mn2+)Al4Si8O26。産地では造岩鉱物になるくらいありふれたもので、実際ごく普通の元素成分で出来ているのであるが、なぜだかイリマウサークの貫入岩地帯以外では見つかっていない、特産鉱物である。

ベーギルドによって1933年に記載されたが、彼が利用したサンプルは 1897年にグスターヴ・フリンクがツヌーリアフィク(Tunulliarfik)沿岸のナウヤカシク(ナアアヤクシク)で採集した 350g の不定形の丸石だった。ちなみにフリンク博士はここで素晴らしいユージアル石の結晶を多数採集しており、大きなものは10センチほどもあったそうだ。
当時はナウヤカシクの特産かと思われていたが、1955年にツペスワットシアイトでも見つかり、その後はイリマウサーク貫入岩帯のあちこちで見つかるようになった。それまで気づかれなかっただけだったのだ。そうして豊富に結晶サンプルが手に入るようになってようやく最終的に構造が決定されたのは 1975年であった。結晶形はダイヤモンド状または板状。へき開面は雲母に似て、真珠光沢を示す。

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