759.自然銅と自然銀 Copper & Silver (USA産)

 

 

copper & silver

自然銅と自然銀(白銀色部)の混合物 (スタンプ・ミル) 
-USA、ミシガン州オントナゴン、マス鉱山産

 

No.737(Auricupride) に金と銅とからなる元素鉱物を紹介したが、銀と銅とからなる元素鉱物はというと、ナント存在しないようである。西洋にはスターリングシルバーのような少量の銅を混ぜた銀が、日本の金属工芸には「四分一(しぶいち)」といって、さまざまな割合で銀と銅とを混ぜ合わせた合金があるが、これらは鉱物ではない。
なかなか面白いことである。
そんなことを考えていたら、最近遊びに行ったお店で画像の標本を見つけたので手にした。定番品のひとつ、ミシガン州の自然銅だが、一部に自然銀を交えている。
この鉱山では銅鉱石をスタンプ・ミルで砕いたものを選鉱に回しているそうで、その段階で肉眼的に銀が見えている小片を外して標本用としたらしい。
赤銅色の自然銅の部分と白銀色の自然銀の部分とがはっきり分かり、境界は明瞭である。
とはいえ微視的には遷移部分が存在して、その部分は何らかの合金状態になっているのかもしれない。

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