303.菫青石2 Cordierite (パミール産ほか)

 

 

雲母片岩中のアイオライト(上と下部) -モゴック、ミャンマー産

雲母片岩を母岩とする石英と菫青石
 −ノルウエイ、グラッドスタッド産

石英中のアイオライト −USA、コネチカット州、ハダム産

アイオライトの結晶 −USA、NH、リッチモンド産
19世紀中頃にソープストーンを採掘した採石場で、
往時は缶ビールのような巨大な結晶集合物を出した。
内部に菫青石らしい宝石質の部分を含むことがあるが、
表面は概ね風化して暗褐〜暗緑色となっている。 
1960年代にはすでに廃坑となって久しく、
標本はたいていその以前に採集されたもの。
70年代にも若干の美品が回収された。

コーディアライトの結晶 −パミール、サスク・ス産

菫青石(粒状) −宮城県柴田郡川崎町安達産
火山噴出物の軽石層をなすトーナル岩中に生じたもので、ボロボロ崩れやすい。
ほぐすとマレに六角柱状の結晶が出てくることがあるそうだ。
結晶形(六方 6/mmm)から推して、インド石として晶出した後
菫青石化したものもあるとみられている。つまり、高温環境で六方晶系の
インド石として晶出が始まり、その後温度が低下すると、インド石の形状を
保ったまま斜方晶系の菫青石が成長して、疑似六角柱状をなすと。
cf.No.176 補記2
母岩層はカミントン閃石、またアルミナに富んだ紅柱石やスピネルなどを含むとか。
アイオライト(右半分)とロードライトガーネット(左側の赤紫色)
 −ブラジル、M.G.、マラカセッタ産

 

菫青石はなんとなく気になる鉱物で、産地の違う標本を見ると、ついつい集めてしまう。地味で控えめな色合いの青が安心感を誘うのだろうか。
それぞれ趣きを添える、そのささやかさが野のすみれである。

cf. No.161No.469 鉄菫青石(マグネシウムより鉄分が優勢のもの)

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