No.80 ハン・ミュンデン (ドイツ)  その1

 

ハン・ミュンデン。
この町を「行きたいところ」として意識した
直接のきっかけはネット上の観光記事だった。
ある年、ドイツに行く機会が出来たときに調べて、
木組みの美しい町と知った。
しかし、その後、バイブル本である
ドイツ観光ガイド(ブル−ガイド)に
コラム記事があることに気づいて、
おそらく種は早くに私の心の中に
播かれていたに違いない、
と思うようになった。
ガイド本を買った頃は、ドイツ観光なんて
私には夢のお話だった。
起こりそうもないおとぎ話を読んで
そのまま忘れてしまったのだと思う。
(そのわりにゴスラーツェレのことは、
頭の片隅に長く引っ掛かって、
折々憧れを刺激していたのだったが。)

曰く、「豊かな緑と清冽な川の流れがつくりだした町、
箱庭のようにかわいらしく、夢のような町」
「町全体がメルヒェンのように美しい」
「この町の最大の見ものは戦災から完全に
守り抜かれた華麗な木骨組みの家々。
全面に露出した大きな太い梁やわき柱には
至る所美しい刻字や彩色がなされ、
時には大変装飾的な出窓や
バルコニーのついた家もある。…」

マグノリア(木蓮)の花が咲く頃に訪れた。
ハン・ミュンデン、またはハノーファーシュ・ミュンデンは
ドイツ中部の山あいの小さな町で、
谷間を流れるヴェラ川とフルダ川との
会合地点にあたる。合流した川は
ヴェーザー川と呼ばれて北西に伸び、
北の商都ブレーメンまで下る。
そしてブレーマーハーフェン
(ブレーメン港)で北海に注ぐ。
中世以降、ドイツ中部チューリンゲン地方の物産と
北海の物産とがその水運によって流通した。

マグノリアはいくつかのことを象徴する。
@忍耐、A愛、美、洗練、B高潔な魂、
C感じやすさ、D自然。(イメージシンボル事典)
このときの私の気分としては、春が来た喜び。

マグノリアのほころびるさまは、ロウソクの灯るよう。

鉄道でハン・ミュンデンに行くなら、
日本から直行便のあるフランクフルトから
ゲッチンゲン経由で約3時間、乗り換え1回。
ハノーファーからは、ゲッチンゲン乗り換えで
約1時間半。ただ、最近のDB鉄道は遅延が
常態化しているので、そのつもりで。

鉄道駅を降りると一本道を徒歩約15分で旧市街。

旧市街。整然とした街路に
軒を連ねて木骨組みの建物が並ぶ。
560棟以上あるという。

装飾的に凝った家が多く、ヴェーザールネッサンス様式と呼ばれる。
宗教改革から三十年戦争の頃(15-16C)に、ウェーザー川周辺の都市で
盛んに建築された地域的なルネッサンス様式という。

大樹の後ろはお肉屋さんで、
美味しいソーセージ・サンドを食べさせてくれる。

梁や柱に美しい装飾が見られて、
それを今に残しているのがステキな心意気。

 

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