752.紫水晶 Amethyst (ケニア産) |
「紫水晶って、ただ美しいというほかないわ。あたしが考えていたダイヤモンドと同じだわ。ずっと前、まだ一度もダイヤモンドを見たことがなかったときに、あたし、本で読んで、どんなものか想像してみて、きっと美しい、ぼうっと光る紫色の石だろうと思ったの。ある日、女の人の指輪にほんとのダイヤモンドを見たとき、あたしがっかりして泣いてしまったの。もちろん、とても美しいにはちがいないけれど、あたしの考えていたダイヤモンドみたいじゃなかったのですもの。…紫水晶って、おとなしいすみれたちの魂だと思わない?」(モンゴメリ著「赤毛のアン」 村岡花子訳)
補記:下の標本のようにある水晶の上に帽子のように別の水晶が被さる形を、冠型、茸型、王笏型などという。松茸水晶、王笏水晶、頭巾水晶、冠水晶など、まあ呼びたいように。
補記2:ナイロビから東に車で約2時間の距離に、紫水晶を掘るバオバブ露天掘り鉱山がある。2004年以来、トマス・ネイジンという人がケニア人のパートナーと組んで採集・販売を行っているそうだ。先端部に濃い紫色の現れたものが多く、時にゾーニングが美しい。フェンスタータイプやセプタータイプなどさまざまな形態が報告されている。
cf. No.595、 No.962