497.カリフォルナイト Californite (USA産)

 

 

California Jade (Vesuvianite) カリフォルニアひすい

カリフォルニアジェード(ベスブ石) -USA、CA、ハッピーキャンプ産

 

いわゆるジェードによく似た石で、カリフォルニアひすいと呼ばれるものがある。
カリフォルニアに出る。さまざまな色調を呈するが、ベースは草緑色、雰囲気はNo.358の標本のような蛇紋岩タイプの玉。比較的透明度が高い。
日本ではひすいの代用…といった紹介のされ方をして、それだけでなんだか一段貶められている印象を受けるが、茫洋とした柔らかみのある姿は、けしてひすいなんかじゃないことをアピールしている。
鉱物学的にはベスブ石(アイドクレース)が主成分。本家アメリカではカリフォルナイトの名が与えられている。「この石は独自の美しさを具えているのだから独自の名前があっていい」という視点から、かのクンツ博士が1903年に提唱し、広く受け入れられた。

カリフォルナイトが最初に発見されたのはハッピー・キャンプという場所で、周辺のクラマス川その他の渓流沿いにポイントがある。同じような外観に見えて実際にはさまざまな鉱物種を含むことがあり、アイドクレースのほか、ネフライトグロッシュラーを主成分とする石も一緒に出る。区別するのはまず難しい。稀に金粒を含むものもあるという。
ちなみにシンカンカス博士は、このあたりに採れる石でもっとも緑色が美しく、もっとも軟玉(ジェード)らしく見える石は、たいていアイドクレースであると指摘している。(アイドクレースの語源は、「見かけが紛らわしい」だそうな)

cf.イギリス自然史博物館の標本(カリフォルニア、ビュート郡産)

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