ひま話 大英博物館・自然史博物館の鉱物標本2 (2013.1.5)


なにしろ山のような標本ですから、一日訪れたくらいではちゃんと見れません。

ありがたいのは、いずれの博物館も入館料がフリーなことです。
そいでもって、好きなだけ写真をとっても乙慶なことです。
あじがたや、あでぃがたや、ほととぎす。

僕はこうした公的機関の凄まじいコレクションに出会うと思うことがあります。
仮に自分がどんな大金持ちで高値な標本を自由に購うことができたとしても
しょせん(圧倒的に歴史の厚みを伴った)公的コレクションに肩を並べるはずもない。
個人が背伸びして身にあわぬ標本に手を出したところで多寡が知れている。
お金はもっと有効なことに使いなさい、ということです。
それが出来れば苦労はないけどな。

蛍石キャビネット。
自分の蛍石コレクションと比べたところで詮はなし。
一人で出来ることは知れている。衆寡敵せず(いや、それは少し意味が違うか)

ピサナイト。標本商ピサニ氏に因む鉱物です。銅緑ばん。
現在は緑ばん(Melanterite)の亜種として扱われている。
楽しい図鑑2-P145に関連記事あり参照されたし。
cf.No.566 デビル石 (ピサニ氏)

正長石の貫入双晶の断面。我れ鉱物に殉ぜりと証するかの十字架
cf.No.195 誓い石

ドイツ、ザクセン、ヒンメルヒュルスト鉱山のアージロード鉱
元素ゲルマニウム(エカ珪素)が発見された歴史的鉱石です。
今、このレベルの標本を購おうと思ったら、目玉が飛び出しますです。
cf.No.518 ゲルマン鉱

シベリア産のクロロフェーン。
これってあの、例のあれですよな? 
手のひらに載せて暖めると闇の中で緑色に光るという・・・
cf. No.658 クロロフェーン

キャッスルトン産ブルージョンの原石。ごっぎゃああ。すっげ…
cf. No.507 ブルージョン

放射星状水晶
cf. No.645 スタークオーツ 

Lussatite -低温生成のクリストバライトで繊維状のもの。
元来はフランス、リュッサーの瀝青中に脈状に産したものを指した。
(水晶にかぶった青色に着色した層。色めは瀝青が混じるためか)

ほう、アイゼンキーゼル eisenkeisel とな。訳すと鉄の砂利(小石)ってとこか。
Kiesel には火打石の意味もあるが…石英だからその用に供せるか。
色も火の色だし。
コンポステーラのありがたい御石じゃ。
cf.No.552 鉄水晶  ヨアネウム6  ヘオミネロ2

ケアンゴーム(カーンゴーム)。
近山大事典に「濃色のスモーキークオーツのスコットランド名。
スコットランドのケアンゴーム山地に産する、云々」とある。
cf.No.598 煙水晶

格子状に成長した群晶(ジッター水晶)
 ナミビア、スワコップムンド、マイル72産
かなり珍しいタイプ。 (日本式双晶ではない) 
…あのエレミア石の産地だねえ

エレメエフ石のラベルがついていた。これがロシアでの(本来の)呼び名か?
cf.No.203 エレミヤ石

マレーシアのスズ石(の断面)らしい。おもしろいね。
cf.No.130 錫石

原産地のジョーハチドー。
cf.No.615 上八洞石

大ばばさま曰く 「やがて黄鉄鉱の骸を苗床にして、水晶が大地に根を張り…」

ブラジル、M.G.産の紅鉛鉱(と緑鉛鉱) こんな産地があったとは
cf.No.531 紅鉛鉱

本家グリーンランド、ナルサルスク産のナルサルスク石
cf.No.672 

宇宙飛行士に因むアームストロング石
エルピド石の類縁種 ⇒ No.673

グリーンランドの名産品 チカロフ石
やっぱ光らせてナンボではないかと…
cf.No.674

フランクリン産の Troosite トルースタイト
普通の珪亜鉛鉱とはだいぶん外観が違うぞな
cf.No.398 珪亜鉛鉱

ニューカレドニアの軟玉製の石斧の刃
いろんな博物館に収まっているが、産地はどこなのかしらん
(※ニューカレドニア ローヤルティー諸島ティワカ峡谷に産するらしい)
cf.No.476 ネフライト

カリフォルナイト ベスブ石には見えない…
cf.No.497 

紫色のトパーズ。ロシア産かあ。
cf.No.46 トパーズ

イギリスっていいね

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