1051.水晶(発散形の連晶3) Quartz divergent growth (ブルガリア産)

 

 

水晶 −ブルガリア、マダン、9月9日鉱山産
発散形の小晶群をまとう

上の画像上部中央の拡大画像
先端付近には小晶が十字交差している

十字交差の小晶に注目して別のアングルから見た画像

さらに拡大。小晶のひとつの柱面に、
二次(二世代)成長形の微晶の着床が見られる

一番上の画像の配置から反時計回りに約90度回転された配置
柱面に反射光を出して、亜平行連晶の様子を示した。

上の画像の局部拡大

 

No.1049の発散形の類例(発展形)。No.1050との違いは錐面に笠形の付着がないこと、及び亜平行モードでない、平行形から大きく外れた角度での交差形及び二次(二世代)成長形が随伴していることだ。交差はいかにも思わせぶりで、日本式双晶(傾軸十字接合)(同じくマダン産)や鳥形三連晶を想起させる。凹入角を測ってみると、正規の 84.5度からは数度の誤差があるのだが、そもそも発散型の亜平行連晶が母体であってみれば、このレベルのズレもまた双晶接合において許容範囲なのではないかと思えてくる。

このように集合形を系統樹的に分類してゆくと、19世紀から20世紀初の鉱物学者たちが研究した「柱軸が交差する規則的な癒着」は、私たちを木々の錯綜する迷宮の森へ誘ってゆくようでもある。

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