1022.ファーデン水晶7(複合形ペア) Quartz Faden & Paired Aggrigates (パキスタン産) |
双晶に関するトピックの流れで、いかにも幾何学的な法則性がありそうな複数の結晶の交差接合形をいくつか取り上げた。複合形
No.1005〜No.1012
。
次いで、先行して生じたと思しい白濁したシート状の苗床から透明な水晶が族生する標本を示し、その特殊な(1次元的な)形としてファーデンを考えることが出来ないかと提起した。No.1013〜No.1016。
そしてファーデン水晶のさまざまな形を示しつつ、ファーデン線の付近に柱軸の交差する複合形(小晶の傾斜接合)がよく見られることを指摘した。No.1017〜No.1021。
新たに2例のファーデン水晶を示す。これらでは主晶に対して2つの小晶ないし副晶が接合している。小晶(副晶)同士は主晶に対して同じ傾斜角度の柱軸を持ち、互いに平行な柱面を持っていることから、主晶に対して幾何学的な法則性をもって接合していることが明らかと思われる。これらはいずれもファーデン領域から立ち上がっている。
すなわち、ファーデン領域はそのような接合ないし双晶形を高確率で誘導するのであろう。
また No.1011の標本も、同様にファーデン領域から分枝した(傾斜角度の異なる)小晶がいくつか接合した形であることを強調しておく。